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人間のきれいな一面を剥いだら・・・・・・

【監督】新藤兼人
【出演】乙羽信子、吉村実子、佐藤慶

生きるとは、欲望とは・・・・・・。
嫁と姑に一人の男がからみ、全ての欲望をさらけ出していく。



壮絶・・・・・・!
生と死、老いと若さ、恨み、妬み、憎しみ、肉欲・・・・・・あらゆる人間の原始的な面が、これでもかと描かれている。
モノクロで登場人物は、ほぼ上記の三人のみ。
人々の日常から隔離された背の高い草が生い茂る広大な原っぱで、人間の嫌らしさが日々、繰り広げられる。

中世、南北朝の戦の時代。
息子(夫)を兵に取られた母(乙羽)と嫁(吉村)は、帰りを待ちわびながらも、生きていくために落ち武者狩りをして暮している。
時には瀕死の侍を槍で突き刺し、身ぐるみを剥いで金に換える日々。
死体はいつも、草原の中に埋もれた深く、暗い穴に放り投げて。
黙々と落ち武者狩りをする二人が、猟奇的というよりも、ギラギラしてすごく人間臭を感じさせる。
暗闇にギラギラと光る四つの瞳。
常に、姑が嫁を支配している力関係。
そんな中、同じく兵に取られた村の男・ハチ(佐藤)が一人、戦を逃げ出してくる。
佐藤慶が髭ボーボーで、もちろん若くて男臭さムンムン。
ハチは「息子は殺された」と二人に告げ、再び村で暮し始める。
ここから姑と嫁の関係が大きく転調。
夫が殺された悲しみを感じながらも、若い女としての肉欲と愛情をハチに求める嫁。
ハチも、それに応える。
身も心も愛される喜びを再び得て、嫁の表情が次第に光り輝いてくるのが印象的だ。

一方、そんな二人を見て、自分は男にもう愛されないのだという悲しみ、そしてその欲求不満を全身で表す姑。
もう、このシーンはちょいとしたホラー・・・・・・。
でも、嘘にまみれた姿とは決して思えない。
自分も男が欲しいが、嫁に反発して彼女に去られてしまえば、一人では生きてはいけない。
生きるためには、嫁の行動を食い止めるわけにはいかなかった。

葛藤の末、嫁を脅かし、ハチとの逢瀬を止めさせるため、姑は般若の面を被って夜道に立つ。
そして遂には、その面が顔から剥がれなくなる。
面を取ろうと嫁がカナヅチで顔面を叩く姿の恐ろしいこと!!

もう、「恐怖の日本昔話」みたいで、人としての不義はできないと教訓めいたものを感じてしまうのだが、「これが人間の素の姿なのかも」とも思ってしまう。
ドロドロした人間の感情を、恐ろしいもの見たさで見てしまう精神ホラー。
全ての人にはオススメできないかも。
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2005.11.13 Comment:0 | TrackBack:0
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