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誰も知らなくても、生きていていい

【監督】是枝裕和
【出演】柳楽優弥

もう母さんは帰ってこない。
ボロボロでひもじくても、みんなで暮らしていく。
ただただ毎日を。
誰にも知られないように。
だって、知られたら僕らはバラバラにさせられる……。



言わずと知れた、それまでほぼ無名だった柳楽優弥が史上最年少でカンヌ主演男優賞を受賞した作品。

中盤から後半にかけてかなりドキュメンタリーっぽく感じられるのは、監督の撮影の進め方の上手さなのだろう。
子供たちが生き生きと瑞々しいのは、即興的な演出が上手く作用したのと、子供たちの力だと思う。
それほど、4人の兄弟を演じた子供達は、ナチュラルでリアル!

全体の構成もイイ感じ。
冒頭シーンで一気に惹きつけられ、そして、ラストシーンで脳をグラグラ揺さぶられた。
1988年に東京・巣鴨で実際に起きた「子供置き去り事件」をモチーフにしてはいるが、決してノンフィクションではない。
確かにこの映画は、悲しい物語だ。
と言うか、悲惨(実際の事件はもっと悲惨だったよう)かもしれない。
だが、強く、優しく描かれているように私は感じた。

母親が恋人のもとへ走り、置き去りになる父親の違う4人兄弟。
年長の明は母親に兄弟の面倒を託される。「頼りにしてるわよ」と優しい言葉で。
公園の水道で洗濯や洗髪をしたり、コンビニで期限切れの弁当やオニギリをもらったりと彼らの生活が徐々に荒れていく様子は、正直辛い。
だって子供なんだから……。

でも、悲惨さだけが浮き彫りにはなってるわけではないような気がするのだ。
明は、時には「面倒くさい」と感じながらも、「長男だから僕がみんなを世話しなくては」という思いから、「母さんはもう帰ってこない。自分が親にならなくては」と考える大人に成長していく。
時にやさぐれ、達観し、そして優しく、強い眼差しがね……。
タランティーノの「あの眼差しが忘れられない」という言葉に共感せざるを得ないはず。
胸が痛くなるんだけど、どこか優しい気持ちにもなってしまう。
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2005.11.11 Comment:0 | TrackBack:1
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