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生き残った人間の生き方を問う

【監督】黒木和雄
【出演】宮沢りえ、原田芳雄、浅野忠信

あのピカで、みんないなくなってしまった。
お父さんも学校のお友達も。
あの日、あの時に広島にいた人間なら、死んでいる方が当たり前。
私は生きていてはいけない、幸せになってはいけんのよ!



戦後3年が経つ夏の広島。
焼け跡に残った家に、図書館に勤めながら一人ひっそりと暮らす娘・美津江(宮沢)。
最近になって、彼女を心配する父・竹造(原田)が頻繁に現れるようになっていた。幽霊だ。
この設定を知って、ちょっと話に入っていきづらいかなと思いきや、そんなことは全く無い。
ほとんどが、家の中での父と娘のシーンなのだが、ちっとも飽きない!

美津江は、原爆資料を集める青年(浅野)を一目で好きになるのだが、その感情をひたすら押し殺す。
彼に想いを寄せているにも関らず、冷たく突き放すのだ。
そんな娘を「なぜ幸せになろうとしない?!」と心から案じる父。
だが彼女は、「自分だけが幸せになんてなれない、生きていてはいけないのだ」と自らの生を頑なに拒むのだ。
ちなみに浅野さん、丸黒ぶちメガネにクシャクシャ帽子で地味なんだけど、物静かで知的で、そこはかとなく漂う色気がステキだ。

ひょうきんで調子が良く、女好きな父は、根気強く明るく娘を説得し、その恋を応援する。
「早く忘れて、自分の幸せを掴まんかいな」と。
だが娘は頑として受け入れない!
けれど父自身も、自分や大勢の人を一瞬にして殺したピカのことを、決して許してはいない。
娘の前から去る時は、いつも真っ暗な闇へと悲しそうに消えていく。
まるで心に根付いた暗い闇を表すかのように……。

娘を想う父、そしてそれぞれ胸に渦巻く、原爆、戦争へのやるせない怒りと悲しみ。
娘が子供達にしてやろうとする昔話を、父は「こんな風にしてみろ」と一寸法師の物語を原爆の熱風によってできる針山のような「原爆瓦」をモチーフに演じてみせる。
鬼気迫り、気迫溢れる昔話。

ただ悲しみ、生き残ったことを悔やむのではなく、お前は原爆の悲惨さを子供達に語り継いでいかなくてはならないという強い思いがビシバシ伝わる。
戦争の酷さを描きつつ、それでも生きていくことの大切さ、意味を謳う、黒木監督作品。

<今日のBGM:近所の子供の激しい泣き声>
どうしたんだろう……?

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2005.10.30 Comment:0 | TrackBack:1
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