上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.--
20051026222340.jpg


人は激しい悔恨も乗り越えられる

【監督】是枝裕和
【出演】江角マキコ、内藤剛志、浅野忠信

なぜ、貴方は死んでしまったの?
息子も生まれて、つつましいけれどすごく幸せだったのに。
いくら考えてもわからない、貴方は一体何を見たの?



「誰にも言えない」の是枝監督のデビュー作で、兵庫・尼崎と石川・輪島を舞台にした宮本輝の小説の映画化。
江角マキコはドラマでしか演技を見たことが無かったけど、この作品を見てなかなかイイなと思った。
全編通して暗いトーンで描かれ、台詞も少なく、映像というより静止画のようなイメージ。
でもそれが返って、夫を亡くした妻(江角)の心情を痛々しいほど表現している。

尼崎で細々と、だが幸せに暮らす若い夫婦。
しかし、息子が生まれた直後、なぜか夫(浅野)は電車自殺をしてしまう。
なぜ夫は死んだのか?
そんな思いを捨て切れないまま、数年後、未亡人となった妻は知人の紹介で輪島の寒村に暮らす、子持ちの男(内藤)のもとへと嫁ぐ。
新たな生活に静かに溶け込み、穏やかで幸せな暮らしが訪れる。
だが妻には、振り払えない思いがいつも心の片隅に渦巻いていた。
その思いが突然噴き出し、言葉で突きつけられるので、胸がグッと詰まってしまう。

ある日、家を飛び出す妻。激しく波が打ちつける暗く寒い海辺に彼女はいた。
「あの人はなぜ死んだの!?」
夫は静かに話す。「海で死ぬ人は、幻のような光に誘われるんだそうだ」と。
「あの人も、その光を見たんでしょうか?」
このシーンが、切ないんだけど、何か気持ちのいい柔らかいものに包まれているような空気で印象的だ。

この出来事の前と後では、二人の間は何も変わらない。
けれど、何かが少し強くなったような家族。
絆というにはあまりにも陳腐な、もっと優しい何かが加わって……。
夫の死に対する彼女の長年の悔恨が溶けていったのだ。

<今日のBGM:ザ・ドラマティックス「WHATCHA SEE IS WHATCHA GET」>
都会的な軽さ

スポンサーサイト
2005.10.26 Comment:0 | TrackBack:0
Secret

TrackBackURL
→http://ravel.blog32.fc2.com/tb.php/11-fa6d0baf
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。